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建設業のSNS採用|若手の応募につながる採用広報の発信内容と始め方

堂下 直輝
この記事の監修者|堂下 直輝
更新日:2026年10月15日
公開日:2026年01月13日
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建設業のSNS採用|若手の応募につながる採用広報の発信内容と始め方

「求人を出しても若手から応募が来ない」「SNSを始めたものの、何を投稿すればいいのか分からない」。建設会社の採用担当者から、こうした相談をよく受けます。

SNSを採用に使う会社は増えましたが、成果が出ている会社とそうでない会社の差は、媒体の選び方よりも「何を発信しているか」に表れます。求職者が知りたいのは、会社の宣伝ではなく、入社したあとの自分の姿を想像できる情報です。

この記事では、建設業の採用でSNSが効く理由を整理したうえで、採用広報として発信すべき5つの内容、SNS採用を始める5つのステップ、よくある失敗までを解説します。

建設業の採用でSNSが効く理由

建設業は若手の採用が特に難しい業界です。国土交通省の資料(総務省「労働力調査」をもとに作成)によると、令和7年の建設業就業者のうち29歳以下は11.9%で、全産業の17.0%を大きく下回ります。55歳以上は36.6%を占めています。

若手が少ない業界では、求人を出して待つだけでは応募が集まりません。そもそも建設業を仕事の候補に入れていない人に、まず会社を知ってもらう必要があります。SNSはその入口として使えます。

求職者は応募する前に「会社の中」を見に来る

求人サイトで会社名を知った人が、応募する前にInstagramやTikTokで会社名を検索し、どんな人が働いているかを確かめることは珍しくありません。総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、Instagramの利用率は20代で82.6%、30代で76.6%です。TikTokも30代で44.7%、40代で42.6%と、中途採用の中心になる年代に広く使われています。

確かめに来たときにアカウントがない、あるいは何年も更新が止まっていると、それだけで候補から外れることがあります。SNSは、新しい人に会社を知ってもらう場所であると同時に、会社の実像を確かめに来た人に応える場所でもあります。

求人票では伝わらない3つの情報

求人票には、給与・休日・勤務地・仕事内容といった条件が並びます。条件は大切ですが、応募をためらう人が本当に知りたいのは、次の3つであることが多いです。

・一緒に働く人:どんな年齢の人がいて、どんな雰囲気で話しているか

・現場の様子:どんな場所で、どんな道具を使い、何をするのか

・1日の流れ:朝は何時に集まり、休憩はどう取り、何時に帰れるのか

この3つは文章で書いても伝わりにくく、写真や動画で見せると一目で伝わります。建設業がSNSと相性が良いのはこのためです。

なお、SNSは採用活動の手段の1つです。誰を採るのか、どのチャネルをどう組み合わせるのかといった採用全体の組み立て方は、建設業の採用戦略7ステップで解説しています。

採用広報で発信すべき5つの内容

ここからが本題です。採用につながる発信は、会社の実績を見せることではなく、入社を考えている人の不安を1つずつ減らすことです。建設業の採用広報では、次の5つを軸にすると内容に困りません。

社員の顔と声

最も反応が出やすいのは、社員本人が映り、自分の言葉で話している投稿です。「入社のきっかけ」「この仕事で一番うれしかったこと」「入社前に不安だったこと」などを1人ずつ短く話してもらうだけで、求職者は職場の雰囲気をつかめます。

社長や役員だけでなく、入社1〜3年目の社員に出てもらうのがポイントです。求職者が自分を重ねやすいのは、年齢や経歴が近い人です。

現場の1日と仕事の手順

「施工管理」「鉄筋工」「設備工事」と書かれても、未経験の人には何をする仕事なのかが分かりません。朝礼から片付けまでの1日の流れや、1つの作業の手順を順番に見せると、仕事の中身が具体的に伝わります。

ナレーションや字幕で「いま何をしているか」を説明すると、専門用語が分からない人にも伝わります。仕事の中身が分かると、応募のハードルが下がり、入社後の「思っていた仕事と違う」も減らせます。

職人の技術と仕事の手ごたえ

職人の手さばきや、重機の操作、仕上がった現場の様子は、建設業ならではの見せ場です。「この技術を身につければ一生食べていける」と感じてもらえる発信は、経験者にも未経験者にも響きます。

技術を見せるときは、すごさだけでなく、身につけるまでの過程も一緒に伝えてください。「最初は先輩の補助から始めて、3年目でこの作業を任された」といった話があると、未経験の人も自分の将来を想像できます。

休日・給与・働き方の実態

休日の取り方、残業の多さ、資格手当や昇給の仕組みなど、条件面の実態も大切な発信内容です。ただし、SNSで条件を伝えるときは、求人票と食い違わないよう注意してください。

厚生労働省は、SNSを含む広告で労働者を募集するときは、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならないと周知しています。2022年10月の改正で、求人情報を正確で最新の内容に保つことも求められるようになりました。「月給50万円も可能」のように一部の例だけを強調する表現は避け、実際の働き方をそのまま伝えるほうが、結果として入社後の定着にもつながります。

若手社員の成長の過程

未経験で入社した社員が、資格を取り、任される仕事が増えていく過程を追いかける発信も効果的です。研修の様子、初めて資格試験に合格した日、初めて1人で任された現場など、節目ごとに投稿すると、入社後の道筋が具体的に見えます。

「未経験でも大丈夫です」と書くより、未経験から成長した実例を見せるほうが説得力があります。高校生の採用でも同じ考え方が使えます。高校生に特有のルールや進め方は、建設業の高卒採用の記事にまとめています。

建設業のSNS採用を始める5ステップ

発信する内容が見えてきたら、運用の形を決めます。最初から完璧を目指す必要はありませんが、次の順番で決めておくと途中で止まりにくくなります。

Step1 誰に届けるかを決める

最初に、どんな人を採りたいのかを決めます。「未経験の若手」「経験のある職人」「施工管理の有資格者」では、見ている媒体も、響く内容も違います。外国人材の受け入れを考えている場合は、建設業の特定技能の制度も確認しておきましょう。

ターゲットを決めずに始めると、誰にも刺さらない投稿が並んでしまいます。年齢・経験・今の仕事・転職で重視することまで書き出しておくと、投稿の内容を決めやすくなります。詳しくは採用ペルソナの決め方を参考にしてください。

Step2 媒体を1つに絞る

最初は媒体を1つに絞ります。複数を同時に始めると、どれも更新が続かなくなるケースが多いためです。若手に広く知ってもらいたいならTikTok、写真や動画で会社の雰囲気をまとめて見せたいならInstagram、仕事の中身をじっくり伝えたいならYouTubeが目安です。

媒体ごとの特徴や年代別の利用率、広告を組み合わせる場合の考え方は、建設業のSNS活用とSNS広告で詳しく比較しています。媒体ごとの運用のコツは、建設会社のInstagram運用、建設業のTikTok運用、建設業のYouTube運用の各記事も参考にしてください。

Step3 撮影と投稿の役割分担を決める

SNS採用が止まる一番の理由は、担当者が1人で抱え込むことです。企画を考える人、現場で撮影する人、編集して投稿する人を分け、現場の誰に協力してもらうかを決めておきます。

現場の協力を得るには、なぜSNSに取り組むのかを先に共有することが欠かせません。「若い仲間を増やすため」という目的が伝わると、撮影への協力が得やすくなります。撮影は休憩や移動の前後など、作業の邪魔にならない時間に短く行うのが続けるコツです。

Step4 プロフィールと応募の導線を整える

投稿を見て興味を持った人が、次に何をすればよいかが分かるようにしておきます。プロフィールには、どんな会社で、どんな人を募集しているかを短く書き、採用ページや応募フォーム、LINE公式アカウントへのリンクを置きます。

「まずは現場見学から」「LINEで質問だけでもOK」のように、応募より手前の小さな一歩を用意しておくと、連絡をもらいやすくなります。

Step5 応募数まで追って見直す

再生数やフォロワー数だけを見ていると、採用につながっているかどうかが分かりません。月に1回、プロフィールへのアクセス、リンクのクリック、問い合わせ、応募まで数字を並べ、どこで止まっているかを確認します。

応募や面接のときに「何を見て知りましたか」と聞き、SNSを見たという声を記録しておくことも大切です。反応が良かった投稿の型が分かれば、次に何を撮るかを決めやすくなります。

SNS採用でよくある失敗

最後に、建設会社のSNS採用でよく見かける失敗を3つ挙げます。始める前に知っておくだけで、多くは避けられます。

再生数やフォロワーだけを追ってしまう

流行りの音源やネタで再生数を伸ばしても、会社や仕事の中身が伝わらなければ応募にはつながりません。数字が伸びることと、採用につながることは別物です。

反対に、再生数が少なくても、応募を考えている人にしっかり届いていれば十分な成果です。投稿しても見られない、フォローされないといった状態が続く場合は、建設会社のSNSが伸びない7つの原因で、どの段階で止まっているかを確認してください。

安全管理と守秘義務の確認が抜ける

現場の映像では、ヘルメットや安全帯などの保護具を正しく着けているかを必ず確認してください。保護具を着けていない映像が出ると、会社の安全管理に疑問を持たれるだけでなく、元請けとの関係にも響きます。

元請けの現場や施主の建物を撮るときは、事前に許可を取りましょう。現場名が分かる看板、図面、施主の表札、車のナンバーなどが映り込んでいないかも、投稿前に確認する必要があります。投稿前のチェックを誰が行うかを、Step3の役割分担で決めておくと安心です。

3か月で効果を判断してしまう

SNS採用は、始めてすぐに応募が増える方法ではありません。会社を知ってもらい、何度か投稿を見てもらい、信頼してもらってから応募に至るため、成果が出るまでには時間がかかります。

最初の数か月は、応募数よりも、投稿を続けられているか、どの投稿の反応が良いかを見る期間と考えてください。短い期間で「効果がない」と判断してやめてしまうと、それまでの投稿が無駄になってしまいます。

建設業のSNS採用に関するよくある質問

SNSだけで採用できますか?

SNSだけで必要な人数を採用できる会社もありますが、多くの場合は求人サイトやハローワーク、紹介などと組み合わせて使います。SNSは、求人サイトで会社を知った人が会社の中を確かめに来る場所としても役立つため、ほかの手段の効果を高める役割もあります。

社員が顔出しを嫌がる場合はどうすればいいですか?

無理に顔を出してもらう必要はありません。手元の作業、後ろ姿、声だけの出演でも、職場の雰囲気は十分に伝わります。出演してもよいという社員から始め、投稿への反応を見てもらううちに、協力してくれる人が増えることもよくあります。出演してもらう場合は、事前に本人の同意を取っておきましょう。

投稿の頻度はどのくらい必要ですか?

採用広報としては、多く投稿することよりも、決めた頻度で続けることのほうが大切です。まずは週に1〜2本など、繁忙期でも守れる頻度から始めてください。続けられる頻度で投稿を重ね、反応の良い型が見えてきたら、本数を増やすことを検討しましょう。

まとめ

建設業は29歳以下の就業者が11.9%にとどまり、求人を出して待つだけでは若手に届きにくい業界です。求職者は応募する前にSNSで会社の中を確かめに来るため、SNSで何を発信しているかが応募を左右します。

採用広報で発信すべきなのは、社員の顔と声、現場の1日、職人の技術、働き方の実態、若手の成長の過程の5つです。誰に届けるかを決め、媒体を1つに絞り、役割分担と応募の導線を整えたうえで、応募数まで追って見直していきましょう。

実際にSNSを活用して採用に成功した建設会社の取り組みは、建設業の採用成功事例と導入実績にまとめています。

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堂下 直輝

この記事の監修者|堂下 直輝

1994年、兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社マイナビに入社し、支社立ち上げから課長職までを経験。累計500社以上の採用支援に携わる。

2020年、株式会社アップデートを設立し、代表取締役に就任。「仕組みを変え、世界中の課題を解決し続ける」をミッションに掲げ、建設業・運送業・製造業を中心に採用支援事業を展開。
ショート動画やSNSを活用した採用支援を強みに、200を超えるアカウントの運用を支援。採用支援に関する講演活動も積極的に行い、実務と発信の両面から企業の採用課題解決に取り組んでいる。

現在はメガバンクなど金融機関とも提携し、大阪・東京・福岡を拠点に、全国の企業を支援している。

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