運送業の人手不足はなぜ深刻化?50歳以上が過半数になった構造と対策を解説
運送業の人手不足は、10年以上前から言われ続けてきました。ただ、2026年時点の数字を並べると、状況は「じわじわ悪化している」のではなく、いくつかの節目を越えたことが分かります。
そのひとつが、道路貨物運送業で働く人のうち50歳以上の割合が、初めて半数を超えたことです。
この記事では、公的統計と業界団体の最新調査から運送業の人手不足の実態を正確に押さえたうえで、母集団を広げる・選ばれる会社になる・辞めさせない・そもそも人を減らす、という4方向の対策を整理します。
運送業の人手不足はいまどうなっているのか(2026年最新の数字)
まず、感覚ではなく数字で現状を確認します。ここで挙げる数値はすべて公的統計と全日本トラック協会の公表資料に基づきます。
就業者198万人・ドライバー86万人|どちらも前年から微減
総務省「労働力調査」によると、令和6年時点で道路貨物運送業に従事する就業者数は約198万人です。このうちドライバーにあたる輸送・機械運転従事者は約86万人で、どちらも前年から微減しています。
平成25年の就業者187万人・輸送機械運転従事者84万人と比べると、10年あまりで就業者は増えているのに、ドライバーはほぼ横ばいです。倉庫内作業や事務など、ドライバー以外の職種が人数を支えている構図が見えます。
50歳以上が初めて過半数に|40歳未満は24.2%
年齢構成を見ると、この10年の変化がはっきり出ます。
| 年齢層 | 平成25年 | 令和6年 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 10代 | 0.5% | 0.5% | 変わらず |
| 20代 | 9.6% | 9.6% | 変わらず |
| 30代 | 23.0% | 14.1% | -8.9ポイント |
| 40代 | 30.5% | 25.3% | -5.2ポイント |
| 50代 | 21.4% | 31.3% | +9.9ポイント |
| 60代以上 | 15.0% | 19.7% | +4.7ポイント |
令和6年の内訳をまとめると、40歳未満が24.2%、40歳以上50歳未満が25.3%、そして50歳以上が51.0%です。全日本トラック協会の資料でも、50歳以上が半数を超えたのはこれが初めてだと指摘されています。
注目すべきは、20代の割合が9.6%で10年前から変わっていないことです。減っているのは30代と40代で、増えているのは50代と60代以上。つまり「若者が入ってこなくなった」というより、「入ってきた人がそのまま歳を重ね、中堅層が抜けていった」という動き方をしています。
この違いは対策に直結します。新卒だけを追いかけても、抜けている30〜40代の穴は埋まりません。
有効求人倍率2.37倍|ただし前年より下がっている
厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)」参考統計表7-1によると、自動車運転従事者の有効求人倍率は2.37倍です。全職業計は0.99倍ですから、およそ2.4倍の水準にあります。
他業種と並べると立ち位置がはっきりします。
| 職業 | 有効求人倍率 | 前年同月差 |
|---|---|---|
| 職業計 | 0.99倍 | -0.06 |
| 生産工程従事者(製造) | 1.51倍 | +0.02 |
| 自動車運転従事者 | 2.37倍 | -0.09 |
| 建設・採掘従事者 | 4.66倍 | -0.15 |
建設よりは採りやすく、製造よりは採りにくい。これが運送業の現在地です。
倍率が下がった理由は「採用が楽になった」ではない
前年同月差がマイナス0.09と聞くと、採用環境が改善したように見えます。しかし内訳を見ると意味が変わります。
自動車運転従事者の有効求人は前年同月比マイナス4.4%。一方、有効求職者はマイナス0.4%とほぼ横ばいです。求職者が増えて倍率が下がったのではなく、求人を出す側が減ったから下がっています。
新規求人はマイナス9.0%と、さらに大きく減っています。倒産や事業縮小で募集そのものを取り下げた会社がある、と読むのが自然です。
倍率の低下は、業界にとって良い知らせではありません。
女性ドライバー4.6%|就業者全体20.7%との差
もうひとつ、対策を考えるうえで外せない数字があります。
道路貨物運送業で働く人のうち女性は20.7%を占めますが、ドライバーにあたる輸送・機械運転従事者に限ると4.6%です。事務や倉庫の職種には女性が入ってきているのに、運転職にはほとんど入っていません。
裏を返せば、ここが最も大きな未開拓の母集団です。
輸送能力は2030年に34.1%不足する試算
人手不足の帰結は、荷物が運べなくなることです。
国土交通省・農林水産省・経済産業省の3省による「持続可能な物流の実現に向けた検討会」は、このまま推移した場合、営業用トラックの輸送能力が令和6(2024)年に14.2%、令和12(2030)年には34.1%不足する可能性があると試算しています。
3割が運べないというのは、荷主が運送会社を選ぶのではなく、運送会社が荷物を選ぶ状況が来るという意味でもあります。実際、運賃交渉に応じない荷主との取引を打ち切る判断をする会社は増えています。
人手不足は「採用の問題」であると同時に、「どの仕事を受けるか」という経営判断の問題でもあります。
運送業に人が集まらない7つの原因
数字の背景にある構造を整理します。
①年収差が縮まるどころか開いている
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」をもとにした全日本トラック協会の集計では、年間所得額は次のように推移しています。
| 年 | 全産業平均 | 大型トラック | 中小型トラック |
|---|---|---|---|
| 令和2年 | 487万円 | 454万円 | 419万円 |
| 令和3年 | 489万円 | 463万円 | 431万円 |
| 令和4年 | 497万円 | 477万円 | 438万円 |
| 令和5年 | 507万円 | 485万円 | 438万円 |
| 令和6年 | 527万円 | 492万円 | 437万円 |
令和6年時点で、大型は全産業平均より約4%低く、中小型は約14%低い水準です。
問題は差の推移です。この4年で全産業平均は487万円から527万円へ40万円上がりました。大型は454万円から492万円へ38万円上がっているので、ほぼ並走しています。しかし中小型は419万円から437万円へ18万円しか上がっておらず、令和5年から令和6年にかけては438万円から437万円へ1万円下がっています。
世の中が賃上げに動いた4年間で、中小型トラックの運転者だけが取り残されました。求職者は他業種の求人と並べて見ているので、この差は確実に効いています。
②2024年問題後も労働時間差は月34時間のまま
年間労働時間も同じ資料で確認できます。令和6年は全産業平均2,052時間、大型トラック2,484時間、中小型トラック2,424時間です。大型は全産業平均より408時間、月にして約34時間長く、中小型は372時間、月にして約31時間長い計算になります。
2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、実際に大型は令和5年の2,544時間から2,484時間へ60時間減りました。規制は効いています。
ところが同じ期間に全産業平均も2,136時間から2,052時間へ84時間減っています。運送業より速いペースです。結果として、差は縮まっていません。
「規制で働き方が改善したから人が集まるはず」という期待は、少なくとも他業種との相対比較では成り立っていません。
③2024年問題で「稼げる仕事」ではなくなった
2024年問題という言葉は広く知られましたが、中身を正確に押さえている求職者は多くありません。制度としては次の2つが同時に効いています。
1つは、令和6年4月に施行された働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働が年960時間に制限されたこと。もう1つは、改善基準告示が改正され、同じく令和6年4月から1年あたり原則3,300時間・1か月あたり原則284時間の拘束時間、11時間以上を基本とし9時間を下回らない1日の休息期間が定められたことです。
ドライバーの月収は、歩合給や時間外手当といった変動給の比率が高いという特徴があります。走った分だけ稼げる働き方が制度上できなくなったため、規制前と同じ働き方を前提に入社を考えていた層にとっては、収入面の魅力が落ちたことになります。
「働き方が改善された」ことと「求職者にとって魅力が増した」ことは、残念ながらイコールではありませんでした。
④EC市場の拡大で小口・多頻度の配送が増えた
同じ重量を運ぶのでも、1件あたりの荷物が小さく件数が多いほど、必要な手間と時間は増えます。
ネット通販の普及によって、この「小口・多頻度」の配送が常態化しました。再配達も加わり、1人あたりが担当する件数は増える一方で、走行距離あたりの売上は伸びにくくなっています。現場の負担が増えているのに、それを賃金に転嫁しづらい構造です。
⑤「3K」イメージが更新されていない
きつい・汚い・危険という印象は、求職者側の情報が古いまま止まっていることが原因です。実際には、車両の快適性も安全装備も10年前とは別物になっています。
ただし、その事実を発信している運送会社はごく一部です。求職者が触れる情報が求人票の条件欄だけであれば、イメージは更新されようがありません。
⑥荷待ち・付帯作業が労働時間に含まれる
ドライバーの拘束時間には、運転していない時間が相当量含まれます。荷主先での荷待ち、荷役、検品といった付帯作業です。
この時間は自社の努力だけでは減らせず、荷主との関係に左右されます。労働時間が長くなる一方で、時間あたりの生産性は上がらないという構造になります。詳しくは物流業界の人手不足が深刻化している原因でも整理しています。
ただし、ここ数年で状況は動いています。国土交通省は令和5年7月に「トラックGメン」を設置し、令和6年11月には「トラック・物流Gメン」へ改組・拡充しました。荷主・元請企業への監視体制として、令和7年6月末時点で「働きかけ」1,668件、「要請」187件、「勧告」4件の是正指導が行われています。
さらに令和7年6月には、貨物自動車運送事業法の改正法と、適正化のための体制整備を進める法律のいわゆる「トラック適正化二法」が成立しました。ドライバーの適正な賃金の確保と業界の質の向上を目的としたものです。
荷待ちや付帯作業を「うちだけが我慢していること」だと考える必要はなくなりつつあります。
⑦採用の入口が求人媒体しかない
多くの運送会社にとって、採用の接点は求人媒体とハローワークだけです。この2つに共通するのは、「いま仕事を探している人」にしか届かないことです。
前述のとおり、ドライバーの母集団そのものが縮んでいます。限られたパイを同業他社と奪い合う構造から抜けるには、いま転職を考えていない層に届く接点が要ります。
人手不足への対策①:母集団を広げる
ここからは対策です。まず、奪い合いから抜けるための方向から扱います。
女性が働ける環境を先につくる
女性ドライバー4.6%という数字は、裏返せば伸びしろです。ただし「女性歓迎」と求人票に書くだけでは応募は来ません。
先に必要なのは、トイレと更衣室、パワーゲート付き車両など身体的負担を下げる装備、そして日帰り運行の路線です。この3点が用意できていない状態で募集しても、入社後に辞める結果になります。
すでに女性を採用できている会社は、例外なくこの順番を守っています。
若年層|19歳で大型免許が取れる制度を前提に設計する
道路交通法の改正により、一定の特例教習を受ければ19歳で大型免許を取得できるようになりました。全日本トラック協会もこの教習の受講に対する助成を行っています。
これにより、高校を出てすぐドライバーになる進路が制度上は開かれました。とはいえ、免許取得費用と入社後の育成を会社が負担する前提でなければ現実的ではありません。運送業の高卒採用のポイントとあわせて、費用と育成期間を見積もったうえで判断してください。
外国人材(特定技能・自動車運送業)
2024年に自動車運送業が特定技能の対象分野に追加され、外国人をトラックドライバーとして雇用する道が開かれました。
ただし要件があります。日本語能力に加え、企業側にも安全性優良事業所(Gマーク)または働きやすい職場認証制度の認定といった条件が課されます。制度の全体像と実務は運送業の外国人ドライバー採用で詳しく扱っています。
なお、Gマークや働きやすい職場認証制度は、外国人材の受け入れ要件であると同時に、日本人求職者に対しても「第三者が認めた労働環境」を示す材料になります。取得していない場合は、外国人採用の是非とは切り離して検討する価値があります。
免許取得費用を会社が負担する
未経験者を採用するうえで最大の障壁は、免許取得の費用と期間です。中型・大型免許の取得には数十万円と数週間が必要で、求職者が自費で先に取るのは現実的ではありません。
費用を会社が負担し、一定期間の勤務で返還免除とする制度を設けている会社は、未経験からの応募を集めやすくなります。人材開発支援助成金や働き方改革推進支援助成金など、育成や労働時間短縮の取り組みに使える公的な助成制度もあるため、自社の負担を抑えながら制度化できないかを先に確認してください。
ここを整備すると、「運転が好きだが免許が無い」という層が母集団に入ります。求人媒体で同業他社と経験者を奪い合うより、競争は緩やかです。
中堅層(30〜40代)を正面から狙う
年齢構成の項で見たとおり、この10年で最も減ったのは30代です。20代の割合は変わっていません。
つまり、いま最優先で埋めるべきは30〜40代です。この層は「未経験だが体力はある」「家族がいるので夜勤より日帰りを望む」「前職の待遇に不満がある」といった具体的な事情を持っています。運送業の若手採用の考え方と切り分けて、別の求人・別の訴求で設計してください。
シニア層を「つなぎ」ではなく戦力として設計する
60代以上が19.7%という構成を、高齢化の証拠としてだけ見るのはもったいない話です。この層は、事故を起こしにくく、荷主対応も安定しているという明確な強みを持っています。
問題は、多くの会社が定年後の再雇用を「本人の希望があれば延長する」という受け身の運用にしていることです。結果として、体力的にきつくなった時点で辞めていきます。
近距離・日中のみ・週4日といった働き方を先に用意しておけば、退職を先延ばしにできます。ドライバー1人の採用に数十万円かかることを考えれば、既存社員に長く働いてもらう設計のほうが費用対効果は高くなります。
人手不足への対策②:選ばれる会社になる
母集団を広げても、比較で負ければ採用できません。
賃金以外で提示できる条件を1つ持つ
中小型トラックの年収が4年で18万円しか上がっていない現実を踏まえると、賃金だけで勝負するのは苦しい戦い方です。
代わりに、他社が言えない条件を1つ用意します。「全便日帰り」「土日固定休」「手積み手降ろしなし」「入社1年目の平均残業が月28時間」。いずれも求職者が具体的に想像でき、かつ数字で書けるものです。
抽象的な「アットホームな職場」はどの会社も書いているので、比較材料になりません。
求人票の書き方を「条件の羅列」から変える
多くの運送会社の求人票は、車種・エリア・給与・休日が並んでいるだけです。求職者はこれを他社と横に並べて比較するので、条件で勝てない会社は自動的に落ちます。
比較の土俵をずらすには、1日の流れを具体的に書くことです。「5時出庫、7時に○○センターで積み込み、午前中に3件配送、13時に帰庫して洗車、15時退勤」。これだけで、求職者は自分の生活と重ねて考えられるようになります。
給与も「月給25万円〜40万円」のような幅の広い表記ではなく、「入社1年目の実績:月給28万円(残業月28時間込み)」のようにモデルケースで示すと、入社後のギャップによる早期離職も減ります。
会社の中身を見せる
3Kイメージが更新されないのは、更新するための情報を出していないからです。
車内、休憩の様子、実際に働いている人の顔。これらは求人票では伝わりませんが、SNSなら伝わります。全体像は運送会社の採用難にSNSは有効的?にまとめています。写真で日常を見せるなら運送会社の採用難はインスタで解決?、短い動画で仕事の流れや人柄を伝えるならTikTokで運送会社の採用はうまくいく?が向いています。
会社としての見え方そのものを整える取り組みは、運送会社のブランディング戦略で扱っています。
選考のスピードを上げる
ドライバーの求職者は複数社を並行して受けています。応募から一次連絡までに3日かかれば、その間に他社が内定を出します。
応募当日中の連絡、面接1回、車両見学と面接の同日実施。この3つでほとんどの会社は短縮できます。
人手不足への対策③:辞めさせない
採用と定着は同じ問題の裏表です。入った人が辞めれば、また同じ費用をかけて採り直すことになります。
入社後3か月の受け皿を決める
未経験者を採用したあと、「先輩について覚えてもらう」だけの運用になっている会社は少なくありません。教える人が決まっていないと、新人は誰に聞けばいいのか分からないまま孤立します。
1か月目は同乗、2か月目は近距離を単独、3か月目で通常配車。この程度の粒度でよいので、期間と到達点、そして担当者を名前で決めてください。
定着率を数字で追う
離職が起きたとき、「人間関係」で終わらせず、いつ・どの時期に・何をきっかけに辞めたかを記録します。3件たまると、自社が繰り返している失敗の型が見えます。
入社1か月以内の離職が多いなら受け入れの問題、半年以降が多いなら待遇か配車の問題と、原因の当たりが変わります。
配車の公平性を説明できるようにする
ドライバーの不満で上位に来るのが、配車の偏りです。実際に偏っているかどうかより、「なぜその配車なのか」が説明されていないことが問題になります。
距離・時間・手当のバランスをどう考えて割り振っているのかを、月に一度でよいので共有してください。説明があるだけで、同じ配車でも受け止め方が変わります。
ベテランの経験を仕組みに変える
50歳以上が51.0%という構成は、裏を返せば経験の蓄積が社内にあるということです。この経験が個人の頭の中にしか無い状態だと、退職と同時に失われます。
事故が起きやすい交差点、荷主ごとの受け入れの癖、季節ごとの渋滞。こうした知識を、車両ごとのメモでもよいので形にしておくと、新人の立ち上がりが速くなります。ベテラン本人にとっても、自分の経験が評価される機会になります。
人手不足への対策④:そもそも必要な人数を減らす
採用と定着だけでは追いつかない場合、必要人数そのものを下げる方向を並行して進めます。
荷待ち時間の削減
トラック予約受付システムの導入で、荷主先での待機時間を削減できます。待機が減れば1人あたりの運行本数が増え、同じ人数で回せる仕事が増えます。
労働時間が減ることで求人票の条件も改善するため、採用面にも効きます。
配車・事務のデジタル化
配車表の作成、日報の集計、請求書の作成。これらに管理側の時間が取られていると、採用や定着の施策に手が回りません。
デジタコやクラウド型の運行管理システムを入れると、日報と労働時間の集計が自動化されます。2024年問題以降、拘束時間の管理は法令上も必須になっているので、手作業で回している会社ほど効果が大きくなります。
人が減らせるだけでなく、「管理側に時間ができる」ことが採用改善の前提条件になります。
2026年4月に何が変わったか
改正物流効率化法の第二段階が2026年4月に施行され、一定規模以上の荷主に物流統括管理者の選任や中長期計画の提出が義務づけられました。
これは運送会社にとって追い風になり得ます。荷主側が物流を経営課題として扱う体制になれば、荷待ちや付帯作業の削減を交渉のテーブルに乗せやすくなるためです。制度そのものの詳細は、倉庫や管理部門まで含めて扱った別記事にまとめています。
それでも採用が難しいと感じたら
ここまでの対策を並べても、どこから手をつけるかは会社によって変わります。
何が原因かを切り分ける
応募がゼロなのか、応募はあるが選考で落ちるのか、内定を出しても辞退されるのか、入社しても続かないのか。この4つは原因も打ち手もまったく違います。
まずは直近1年の応募数・面接数・内定数・入社数・3か月定着数を並べてください。どこで数字が落ちているかで、着手すべき場所が決まります。なぜドライバー採用は難しいのかで、つまずきやすい箇所を整理しています。
外部に任せる判断
採用担当が配車や運行管理と兼務している場合、まとまった時間を確保するのは現実的ではありません。SNSのように継続が前提の手法は、片手間では続きません。
外部委託を検討する場合は、トラックドライバーの人手不足を解決するにはやドライバー採用代行(RPO)の選び方も参考にしてください。当社の導入実績一覧では、実際に採用につながった事例を公開しています。
運送業の人手不足に関するよくある質問
運送業の人手不足はどのくらい深刻ですか?
自動車運転従事者の有効求人倍率は2.37倍で、全職業計0.99倍の約2.4倍です。ただし建設・採掘の4.66倍よりは低く、業種のなかで最も厳しいわけではありません。深刻なのは倍率よりも年齢構成で、50歳以上が51.0%と過半数を占めています。
有効求人倍率が下がったのは良い兆候ですか?
いいえ。前年同月差はマイナス0.09ですが、有効求人がマイナス4.4%であるのに対し有効求職はマイナス0.4%です。求職者が増えたのではなく、求人を出す会社が減ったことによる低下です。
若手を採用すれば解決しますか?
若手だけでは足りません。この10年で20代の割合は9.6%のまま変わらず、減ったのは30代(23.0%→14.1%)です。抜けているのは中堅層なので、新卒・若手と、30〜40代の中途は別々に設計する必要があります。
女性ドライバーは本当に採用できますか?
採用できている会社はあります。ただし、トイレ・更衣室、身体的負担を下げる装備、日帰り運行の路線を先に用意することが条件です。環境を整えずに募集すると、入社後に辞める結果になります。
物流の「2024年問題」とは何ですか?
令和6年4月に施行された働き方改革関連法により、トラックドライバーの時間外労働が年960時間に制限されたこと、および改善基準告示の改正により1年あたり原則3,300時間・1か月あたり原則284時間の拘束時間などが定められたことで、輸送力の不足が表面化した問題を指します。国土交通省・農林水産省・経済産業省の3省の試算では、対策を講じない場合の輸送能力の不足は令和12(2030)年に34.1%に達する可能性があるとされています。
採用に使える助成金はありますか?
育成や労働時間の短縮に使える公的な助成制度があります。代表的なものに人材開発支援助成金と働き方改革推進支援助成金があり、免許取得費用の負担や労働時間短縮の取り組みに活用できる場合があります。要件と支給額は改定されるため、着手前に最新の要項を確認してください。
まず何から始めるべきですか?h3 まず何から始めるべきですか?
直近1年の採用ファネル(応募・面接・内定・入社・3か月定着)を数字で並べることです。どこで落ちているかが分からないまま媒体を増やしても、費用だけが増えます。
運送業の採用・人手不足対策はアップデートにご相談ください
運送業の人手不足は、業界全体の構造として語られがちです。しかし数字を分解すると、抜けているのは中堅層であり、母集団の伸びしろは女性と中途にあり、賃金差は中小型トラックで特に開いている、というように打ち手の場所は具体的に見えてきます。
株式会社アップデートは、建設・運送・製造といったフィールドワーカーの採用を専門に支援しています。求人票の見直しから、SNSを使った認知づくり、採用サイトの制作、応募後の運用改善まで一貫して対応しています。
「何から手をつけるべきか分からない」「SNSを始めたいが社内に人がいない」という段階のご相談も歓迎です。まずは現状をお聞かせください。
※本記事の統計は、厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年5月分)」参考統計表7-1・7-2(常用/パート含む)、および公益社団法人全日本トラック協会「日本のトラック輸送産業 現状と課題 2025」に基づきます。同資料内の就業者数・年齢構成は総務省「労働力調査」、年間所得額・年間労働時間は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によるものです。
この記事の監修者|堂下 直輝
1994年、兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社マイナビに入社し、支社立ち上げから課長職までを経験。累計500社以上の採用支援に携わる。
2020年、株式会社アップデートを設立し、代表取締役に就任。「仕組みを変え、世界中の課題を解決し続ける」をミッションに掲げ、建設業・運送業・製造業を中心に採用支援事業を展開。
ショート動画やSNSを活用した採用支援を強みに、200を超えるアカウントの運用を支援。採用支援に関する講演活動も積極的に行い、実務と発信の両面から企業の採用課題解決に取り組んでいる。
現在はメガバンクなど金融機関とも提携し、大阪・東京・福岡を拠点に、全国の企業を支援している。