建設会社のSNSが伸びない7つの原因|再生数・フォロワー・応募のどこで止まっているかから立て直す
SNSを始めたものの、再生数が増えない、フォロワーが増えない、応募につながらない。建設会社のSNS運用で、よく聞く悩みです。
ただ、「伸びない」と一言でいっても、止まっている場所は会社ごとに違います。そもそも動画が表示されていないのか、表示はされているのに見てもらえないのか、見てもらえているのにフォローや応募につながらないのか。止まっている場所が違えば、打ち手も変わります。
この記事では、TikTok・Instagram・YouTubeが公式に説明している表示の仕組みをもとに、「伸びない」を4つの段階に分けて原因を切り分けます。そのうえで、建設会社で特によく見られる7つの原因と、30日で立て直す手順を解説します。
「伸びない」は、どこで止まっているかで意味が違う
SNSの成果は、次の4つの段階を順に通って生まれます。どこか1か所で止まっていれば、その先には進みません。
| 段階 | 起きていること | 確認する指標 |
|---|---|---|
| 表示されない | おすすめ欄にほとんど出ていない | 閲覧数、トラフィックソース |
| 見られない | 表示はされるが、すぐに飛ばされる | 平均視聴時間、継続率、最後まで視聴した割合 |
| フォローされない | 見られているが、アカウントに興味を持たれない | プロフィールの閲覧数、フォロワー以外からの反応 |
| 応募につながらない | フォローはされるが、応募や問い合わせが来ない | プロフィールのリンクのクリック、応募数 |
指標の名前は、Instagramのインサイト、TikTokのアナリティクスでそれぞれ公式に使われているものです。どちらもアプリの中で無料で確認できます。
まず自社のアカウントを開き、どの段階で数字が落ちているかを確かめてください。再生数だけを見て「伸びない」と判断すると、実際には応募の手前で止まっているのに、動画の作り方ばかり見直すといった的外れな対策になりがちです。
フォロワーが少ないことは、表示されない理由にならない
まず押さえておきたいのは、フォロワー数と表示のされ方の関係です。
TikTokは公式に、フォロワー数や過去に人気の動画があったかどうかは、おすすめの直接の要素ではないと説明しています。重視されるのは、動画がどれくらいの時間見られたか、最後まで見られたか、いいねやシェアをされたかといった、見た人の反応です。
Instagramも2024年に、おすすめに表示するときはまず小規模な視聴者に見せ、その反応で広げていく仕組みにしたと公表しています。投稿したアカウントをフォローしているかどうかは関係がないとされています。
つまり、フォロワーが少ない会社でも、見た人の反応がよい動画であれば多くの人に届きます。逆に言えば、伸びない原因は多くの場合、アカウントの規模ではなく動画の中身や作り方にあります。
表示されない・見られない原因
ここからは、建設会社で特によく見られる原因を7つ、段階ごとに紹介します。当社が建設会社のSNS運用をお手伝いする中でも、最初のご相談の時点でこのいずれかに当てはまっているケースがほとんどです。
原因1:最初の数秒で何の動画か分からない
おすすめ欄に表示された動画は、最初の数秒で見るか飛ばすかが決まります。TikTokもYouTubeも、動画がどれくらいの時間見られたかをおすすめの重要な材料にしていると公式に説明しています。
建設会社の動画で多いのは、現場の全景や会社のロゴから始まり、何が起きる動画なのかが数秒たっても分からない作りです。撮る側にとっては自然な順番ですが、初めて見る人にとっては飛ばす理由になります。
最初の1〜2秒で、何が見られる動画なのかを示してください。「この重機、1台いくらだと思いますか」のような問いかけや、作業の一番の見せ場を先に出すといった工夫で、見られる時間は大きく変わります。平均視聴時間や継続率が低い動画を並べると、冒頭の作りに共通点が見つかることが多くあります。
原因2:透かし・文字の多さ・無音で表示を抑えられている
Instagramは、リール動画の表示を抑える要素として、解像度が低い動画、透かし入りの動画、ミュートになっている動画、枠線を含む動画、文字がメインの動画、すでにInstagramに投稿されている動画を公式に挙げています。
建設会社のアカウントでは、施工写真に社名の透かしを大きく入れている、説明のテロップで画面が埋まっている、音を付けずに投稿しているといった例がよくあります。どれも、会社としては丁寧に作ったつもりのものです。
社名は透かしではなくプロフィールと投稿文で伝え、テロップは要点だけに絞り、音声か音楽を付けて投稿してください。これだけで、表示の段階で止まっていた投稿が動き出すことがあります。
原因3:他社の動画や過去の投稿の使い回し
Instagramは、他人のコンテンツを再投稿することが多いアカウントを、おすすめの対象から外す方針を公表しています。過去30日間に10回以上、他人のコンテンツを再投稿したアカウントは、おすすめに表示されなくなります。2026年4月には、この保護の対象を写真やカルーセルにも広げました。
業界のおもしろい動画を転載したり、別のSNSに載せた動画を透かし付きのまま投稿したりすると、この基準に引っかかるおそれがあります。自社の現場で撮った、自社にしかない映像を出すことが、結果的に一番多くの人に届く近道です。
原因4:繁忙期に投稿が止まる
建設業は、工期や季節によって現場の忙しさが大きく変わります。忙しい時期に投稿が数週間止まり、再開したときには反応が戻らないというのは、建設会社で特によく見られるパターンです。
TikTokは、過去の投稿よりも最新の投稿を優先しておすすめすると公式に説明しています。投稿が止まると、アカウントそのものが見られる機会を失います。
対策は、忙しくない時期にまとめて撮っておくことです。現場の1日、道具の紹介、社員への質問など、時期を選ばない内容をあらかじめ撮りためておけば、繁忙期でも投稿を続けられます。
フォローされない原因
動画は見られているのに、フォロワーが増えない。この段階で止まっているなら、原因は動画1本ごとの出来ではなく、アカウント全体の見え方にあります。
原因5:完成写真ばかりで、人が映っていない
建設会社のアカウントで最も多いのが、完成した建物や施工写真だけが並んでいる状態です。技術力は伝わりますが、見る人は「この会社で誰が、どんなふうに働いているのか」が分かりません。
特に採用が目的の場合、求職者が知りたいのは建物ではなく、一緒に働く人と職場の空気です。当社の支援でも、施工写真中心のアカウントに職人や若手社員が話す動画を加えたところ、プロフィールを見に来る人が増えたというケースは珍しくありません。
完成写真は残しつつ、現場で働く人の顔と声が分かる投稿を増やしてください。元請けや施主の許可が必要な現場は、事務所や資材置き場、朝礼、道具の手入れなど、許可の要らない場所から撮り始めると続けやすくなります。
原因6:誰に向けたアカウントか分からない
施主向けの施工事例、求職者向けの社員紹介、同業者向けの技術の話が、1つのアカウントに区別なく混ざっていることもよくあります。どの投稿も誰かには役立つ内容ですが、プロフィールを見た人は「このアカウントは自分向けだ」と感じられず、フォローに至りません。
まず、アカウントの一番の目的を1つに決めてください。採用が目的なら、プロフィールの1行目で「〇〇市の建設会社で働く人の日常」のように誰に向けたアカウントかを示し、投稿もその相手に向けたものを中心にします。施主向けの発信も続けたい場合は、アカウントを分けることも選択肢です。
応募につながらない原因
フォロワーは増えているのに、応募が来ない。ここで止まっている場合は、SNSの外側に原因があることが多くなります。
原因7:プロフィールから応募までの道がない
動画を見て興味を持った人が、次に何をすればよいか分からない状態です。プロフィールにリンクがない、リンク先が会社の一般的なトップページで採用情報にたどり着けない、応募フォームが長すぎて途中でやめてしまう、といった例がよくあります。
プロフィールのリンクは、採用ページか応募フォームに直接つないでください。応募フォームは、名前と連絡先など最小限の項目で送れる形にしておくと、途中でやめる人が減ります。いきなり応募するのはハードルが高いと感じる人のために、「まずは見学だけ」「話を聞くだけ」の入口を用意するのも効果的です。
SNSで見た印象と求人票の内容が食い違っていることも、応募が伸びない原因になります。動画では若手が和気あいあいと働いているのに、求人票には経験者向けの条件しか書かれていない、といった状態です。見る人は「自分向けの募集ではない」と感じて離れてしまいます。SNSで見せている職場と、求人票で募集している人物像をそろえてください。
応募は来ているのに面接に来ない場合は、応募から面接までの対応に原因があります。詳しくは、応募者が面接に来ない原因と対策で解説しています。
7つの原因をまとめて確認する
ここまでの7つの原因を、確認する場所と合わせて一覧にします。自社のアカウントを開きながら、当てはまるものに印を付けてみてください。
| 原因 | 止まる段階 | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 最初の数秒で何の動画か分からない | 見られない | 平均視聴時間と継続率が低い投稿の冒頭 |
| 透かし・文字の多さ・無音 | 表示されない | 投稿の画面そのもの |
| 他社の動画や過去の投稿の使い回し | 表示されない | 過去30日に投稿した動画の出どころ |
| 繁忙期に投稿が止まる | 表示されない | 投稿日の間隔 |
| 完成写真ばかりで人が映っていない | フォローされない | プロフィールの投稿一覧 |
| 誰に向けたアカウントか分からない | フォローされない | プロフィールの1行目と投稿の相手 |
| プロフィールから応募までの道がない | 応募につながらない | プロフィールのリンク先と応募フォーム |
当てはまるものが複数ある場合は、4つの段階のうち手前にあるものから直してください。表示されていない段階の問題を残したまま応募の導線を整えても、そもそも見に来る人が増えないためです。
撮影できる現場が限られるときの対処
建設会社のSNSが止まる理由として、撮りたくても撮れないという事情もよく聞かれます。元請けや施主の現場は勝手に撮影できず、安全や機密の面でも気を付けることが多いためです。ここでは、制約がある中でも投稿を続けるための考え方を紹介します。
元請けや施主の許可が必要な現場
元請けの現場や施主の建物は、撮影の前に許可を取る必要があります。撮ってよいかどうかだけでなく、写してよい範囲、建物や場所が特定できる情報を出してよいかまで確認しておくと、後から投稿を取り下げることになりません。
許可を取るのが難しい現場が多い場合は、現場の外で撮れる内容を増やします。事務所や資材置き場、朝礼、道具の手入れ、移動中の車内での会話などは、許可の心配が少なく、働く人の様子も伝わります。
安全装備と写り込みの確認
現場の映像では、ヘルメットや安全帯などの保護具を正しく着けているかを必ず確認してください。保護具を着けていない姿が映っていると、安全管理を軽く見ている会社だと受け取られ、採用にも逆効果になります。
あわせて、設計図や書類、近隣の住宅、通行人の顔、車のナンバーなどが映り込んでいないかも確認します。投稿前に、撮った本人以外の1人が確認する手順を決めておくと安心です。
撮れる内容を決めておけば、止まらない
制約があることを前提に、あらかじめ「どの現場でも撮れる内容」を決めておくと、投稿が止まりにくくなります。職人の手元のアップ、道具の紹介、社員への一問一答、1日の流れなどは、場所や工事の内容を問わず撮れる定番です。
30日で立て直す手順
原因がいくつも当てはまっていても、一度に全部を直す必要はありません。次の順番で進めると、何が効いたのかを確かめながら立て直せます。
1週目:止まっている段階と、見る指標を1つに決める
最初に、4つの段階のうちどこで止まっているかを決め、改善を見る指標を1つだけ選びます。見られない段階なら平均視聴時間、フォローされない段階ならプロフィールの閲覧数、といった形です。
指標を1つに絞るのは、複数を同時に追うと、どの対策が効いたのかが分からなくなるためです。
2週目:過去の投稿を並べ、上位と下位を比べる
過去の投稿を、選んだ指標の順に並べます。上位の投稿と下位の投稿を見比べると、冒頭の作り、映っている人、長さ、テロップの量などに違いが見つかります。
自社のアカウントの中で比べるのがポイントです。他社の人気アカウントと比べるより、自社の中で「うまくいった投稿」の共通点を見つけるほうが、再現しやすい型が見つかります。
3週目:型を3つに絞って撮る
上位の投稿の共通点から、投稿の型を3つに絞ります。例えば「職人の手元を見せる」「若手社員への質問」「現場の1日」のような形です。
型が決まると、撮影の準備も編集も速くなり、繁忙期でも続けやすくなります。
4週目:頻度を固定して、数字を比べる
投稿の頻度を決めて固定し、1週目に選んだ指標が変わったかを確かめます。頻度を毎回変えると、変化の理由が頻度なのか中身なのか分からなくなります。
数字が動いた型は残し、動かなかった型は入れ替えます。この手順を月ごとに繰り返すことで、アカウントは少しずつ自社に合った形になっていきます。
それでも届かないときは広告を組み合わせる
通常の投稿は、フォロワーが少ないうちは届く範囲に限りがあります。見た人の反応がよい動画ができているのに、そもそも届く数が足りない場合は、広告で届く範囲を広げる方法があります。
TikTokには、通常の投稿をそのまま広告として配信できる仕組みがあり、広告で得た再生数やいいね、フォローは元の投稿に加算されます。InstagramやFacebookでも、投稿をそのまま宣伝できます。通常の投稿で反応が確かめられた動画に予算をかければ、広告費の無駄を抑えられます。
広告の使い分けや求人の広告で守るべきルールは、建設業のSNS活用とSNS広告の記事でまとめています。
建設会社のSNSに関するよくある質問
フォロワーを増やすサービスを使えば、伸びやすくなりますか
おすすめではありません。TikTokが公式に説明しているとおり、フォロワー数はおすすめの直接の要素ではありません。実際に興味を持っていないフォロワーが増えても、投稿への反応は増えず、アカウントの数字が実態とずれて改善の判断もしにくくなります。
投稿はどのくらいの頻度が必要ですか
決まった正解はありません。大切なのは、無理なく続けられる頻度を決めて守ることです。週1本でも途切れずに続くほうが、週5本で始めて1か月で止まるよりも成果につながります。繁忙期の分を撮りためておくと、頻度を保ちやすくなります。
ゼネコンの下請けや専門工事の会社でも、SNSは意味がありますか
あります。施主に直接発信する機会が少ない会社でも、採用を目的にするなら十分に意味があります。専門工事ならではの技術や道具、職人の手際は、見る人にとって新鮮な内容です。元請けの現場を撮るときは、事前に撮影の可否と写してよい範囲を確認してください。
TikTok・Instagram・YouTubeのどれから直せばよいですか
採用が目的なら、応募につながっている媒体、あるいは届けたい年代がよく使っている媒体から手を付けてください。媒体ごとの運用のポイントは、建設会社のInstagram運用、建設業のTikTok運用、建設業のYouTube運用の各記事で解説しています。短い動画を採用に使う考え方は、採用でショート動画は効果あるのかでまとめています。
まとめ
建設会社のSNSが伸びないとき、まず確かめるべきは「どこで止まっているか」です。表示されない、見られない、フォローされない、応募につながらないの4つの段階のどこで数字が落ちているかによって、直すべき場所は変わります。
TikTokもInstagramも、フォロワー数ではなく、見た人の反応をもとに投稿を届けると説明しています。フォロワーが少ない会社でも、冒頭の作り、透かしや文字の量、自社にしかない映像、人が映っているかといった点を見直せば、届く範囲は広げられます。
一度に全部を直そうとせず、指標を1つ決め、自社の投稿の中で上位と下位を比べ、型を絞って続けてください。SNSで採用に成功した建設会社の取り組みは、建設業の採用成功事例と導入実績にまとめています。建設業の採用でSNSを使う全体像は、建設業の採用難はSNSで変わるのかで解説しています。
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この記事の監修者|堂下 直輝
1994年、兵庫県生まれ。大学卒業後、株式会社マイナビに入社し、支社立ち上げから課長職までを経験。累計500社以上の採用支援に携わる。
2020年、株式会社アップデートを設立し、代表取締役に就任。「仕組みを変え、世界中の課題を解決し続ける」をミッションに掲げ、建設業・運送業・製造業を中心に採用支援事業を展開。
ショート動画やSNSを活用した採用支援を強みに、200を超えるアカウントの運用を支援。採用支援に関する講演活動も積極的に行い、実務と発信の両面から企業の採用課題解決に取り組んでいる。
現在はメガバンクなど金融機関とも提携し、大阪・東京・福岡を拠点に、全国の企業を支援している。